この記事は、NVIDIA・Microsoft の公式発表と公式サイトをもとにした情報の整理です。筆者が実機を使ったレビューではありません。情報は2026年10月25日時点のものです。
この記事の要点
- RTX Spark は、NVIDIA が2026年5月31日に発表した、Windows PC 向けのチップです(5月31日は NVIDIA ニュースルームの日付で、投資家向けページでは台北・6月1日付です)。GPUとCPUが1つになった「スーパーチップ」で、ノートPCは、NVIDIAの発表では2026年10月16日に世界で発売されました。
- 構成は、GPUが最大6,144コア、CPUが最大20コア(Armアーキテクチャ)、メモリが最大128GB(CPUとGPUで共有)です。構成によって違いがあります(下の「スペック一覧」)。
- ゲーム性能について、公式は「AAAゲームを1440pで100fps超」と説明しています。ただし、ゲーム名や画質設定は書かれていません。公式のベンチマーク表も、確認できていません。
- DLSS 5、レイトレーシング、Reflex に対応します。x86アプリは「Prism」で動かします。一部のオンラインゲームは、アンチチートの対応待ちです。
- 価格は、米国が$2,599〜です。日本は、Microsoft Store の Surface Laptop Ultra が¥513,480〜(税込、2026年10月25日時点)です。
RTX Spark とは
RTX Spark は、GPU(NVIDIA Blackwell RTX)と CPU(NVIDIA Grace)を1つにまとめたチップです。CPUの設計には MediaTek が協力しています。GPUだけの製品ではありません。
Microsoft は、CPUのコアを、Armアーキテクチャで作られた省電力のコア(最大20個)と説明しています。OSは Windows 11(Windows on Arm)です。
最初の製品は、薄型のノートPCです。ASUS、Dell、HP、Lenovo、Microsoft、MSI が、2026年10月16日に発売したと、NVIDIAは発表しています。小型のデスクトップは「今秋」と発表されましたが、製品ページに機種名はありません(2026年10月25日時点)。
公式は、制作・AI・ゲームを1台でこなす「薄型のWindows PC」と説明しています。
スペック一覧
| 項目 | 内容(公式) |
|---|---|
| 構成 | Blackwell RTX GPU と Grace CPU を、NVLink-C2C でつないだ1つのチップ |
| GPU | 最大6,144コア(第5世代Tensorコア、第4世代レイトレーシングコア)。5,120コアの構成もある(NVIDIAの製品ページはデスクトップ向けとして記載。日本のMicrosoft Storeはノートに掲載) |
| CPU | 最大20コア(Grace。Armアーキテクチャ)。NVIDIAの製品ページの表は、ノート向け20コア、デスクトップ向け18コア。18コアの構成は、日本のMicrosoft Storeではノート(Surface Laptop Ultra)に掲載されている |
| メモリ | CPUとGPUで共有(ユニファイド)、LPDDR5X。NVIDIAの製品ページの表は、ノート 最大128GB、デスクトップ 最大64GB |
| AI性能 | 最大1ペタフロップス(FP4)。ピーク値。Microsoft Store 日本の注記は、「一部の構成」での値で、スパース性機能を使った理論値に基づき、実際の性能はモデル・アプリ・設定で異なる、と説明している |
| TDP(NVIDIAの表の表記は「Power (TDP)」) | 45〜80W(製品ページの表)。同じページに140Wの表もあるが、違いの説明はない |
| ゲーム関連の技術 | DLSS 5、Reflex 2、G-SYNC、レイトレーシング、RTX Remix、DirectX 12 Ultimate |
| OS | Windows 11 |
| バッテリー | 「終日(all-day)」と説明。駆動時間の数字は、公式に記載なし |
| NPU | Microsoft は、Copilot+ PC の仲間で、GPUに加えてNPUを備えると説明。NVIDIAの製品ページには記載なし。性能は未確認 |
| 型番の表記 | 「RTX Spark N1X」 |
ゲーム性能: 公式が言っていること
下の表は、メーカーの説明です。第三者の測定結果ではありません。
| 公式の説明 | 条件・補足 |
|---|---|
| AAAゲームを1440p・100fps超で遊べる(NVIDIAの発表。2026年5月31日と10月16日の両方に、同じ数字の記載がある) | ゲーム名・画質設定・テスト方法の記載なし。5月31日の本文は「レイトレーシング、DLSS、Reflexを使って」と説明。10月16日の記載には、この条件の付記なし。DLSSのフレーム生成を含む数字かどうかも、書かれていない |
| DLSS 5 の技術(Super Resolution、Ray Reconstruction、Dynamic Multi Frame Generation、3D-Guided Neural Rendering)に対応 | 発売日にDLSS 5が使えるのは NBA 2K27。Hogwarts Legacy は2026年11月5日の予定 |
| NBA 2K27 のDLSS 5で、新しいAIモデル(「2倍速い」と説明)により、フレームレートが最大1.4倍 | 何と比べた数字かなど、条件の記載なし |
| 電源につないでいても、つないでいなくても、ゲームがよく動く、とNVIDIAが説明(GeForce ニュース、2026年10月13日) | 数字の記載なし |
発売日に遊べると公式が挙げた主なゲームは、Cyberpunk 2077、The Witcher 3 Remastered、Fortnite、Marvel Rivals、World of Warcraft、NBA 2K27、Hogwarts Legacy などです。公式は「発売日に数百本」と説明していますが、正確な本数の記載はありません。
オンラインゲームとアンチチート
オンラインの対戦ゲームは、不正対策のソフト(アンチチート)が動かないと、遊べないことがあります。Windows on Arm では、アンチチートの対応が必要です。公式も、対応を進めていると説明しています。
- 2026年10月16日から、アンチチートつきで遊べると公式が挙げたゲーム: ARC Raiders、Arknights: Endfield、Counter-Strike 2、Dota 2、Fortnite、Marvel Rivals、NARAKA: BLADEPOINT、Rocket League、RUST、THE FINALS、War Thunder、World of Tanks、World of Warships、Wuthering Waves ほか。
- 対応がこれからのゲーム: EA Javelin Anticheat は2027年初め。PUBG: BATTLEGROUNDS は2027年前半を目標。Call of Duty は2027年。
- League of Legends と VALORANT は、Riot Games が対応を予定していると、Microsoft が説明しています。時期の記載は、確認できていません。
遊びたいゲームが対応しているかは、NVIDIAの公式ページで確認してください。
x86アプリの動き(Prism)
Microsoft は、x86(32ビット・64ビット)のアプリを動かすエミュレータ「Prism」が、RTX Spark 向けに調整されて入ると説明しています。速さや互換性の数字は、公式に記載がありません。
制作用のアプリでは、Blender、DaVinci Resolve、Photoshop、Premiere などが、Arm版(ネイティブ)で動くと説明されています。Photoshop と Premiere は、発売時にはベータ版でのネイティブ対応です(NVIDIA)。使っているソフトが対応しているかは、各ソフトの公式ページで確認してください。
制作・AIについての公式の説明
- 8K 4:2:2 の動画の編集と、最大90GBの3Dシーンのレンダリングが、電源につながなくてもできる、と説明されています(NVIDIA、2026年10月16日)。10月16日の発表の文には、メモリ構成の条件は書かれていません。NVIDIAの製品ページは、最大128GBのユニファイドメモリで最大90GBの3Dシーンを扱えると書いています。メモリが小さい構成(日本のMicrosoft Storeには24GBの構成もあります)にも当てはまるかは、書かれていません。
- 5月31日の発表の本文は「12K 4:2:2」で、10月16日の「8K 4:2:2」とは数字が違います。
- 1,200億パラメータ(120B)までのAIモデルを、100万トークンの文脈で動かせる、と説明されています(NVIDIAの製品ページ)。これも、最大128GBメモリの構成での説明です(同ページは、最大128GBのユニファイドメモリにモデル全体が収まると書いています)。
- NVIDIAは、Adobeと共同でPhotoshopとPremiereをRTX Spark向けに作り直していると発表し、RTX Sparkで、制作作業全般のAI・編集・カラー・エフェクトが最大2倍速くなる、と説明しています(2026年5月31日の発表。比較の相手・条件の記載なし)。同じ発表に引用されているAdobeのコメントには、倍率の数字はありません。
いずれも、メーカーの説明です。
価格と発売日
| 地域 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 発表(2026年5月31日) | 販売は「今秋」と発表。発表時の本文に、価格の記載は確認できませんでした。5月31日は NVIDIA ニュースルームの日付で、投資家向けページは台北・6月1日付です | NVIDIA 発表 |
| 発売(ノートPC) | 2026年10月16日、世界で(NVIDIAの説明)。ASUS、Dell、HP、Lenovo、Microsoft、MSI | NVIDIA 発表(10月16日) |
| 米国 | $2,599〜(価格・構成は地域によって異なる、と説明) | NVIDIA 発表(10月16日) |
| 日本(2026年10月25日時点) | Microsoft Store 日本の Surface Laptop Ultra: ¥513,480〜(税込。5,120コアGPU+18コアCPU・24GB・512GB SSD)。6,144コアGPU+20コアCPU・32GB・1TB SSD は ¥707,080〜。128GBメモリ・1TB SSD は ¥1,094,280(「在庫なし」の表示)。ページには、表示の特別価格は期間限定で、在庫がなくなり次第終了する、という注記があります | Microsoft Store 日本 |
| 日本の発売日 | 公式ページで確認できていません | なし |
| 小型デスクトップ | 価格・発売日とも、確認できていません | なし |
日本の最新の価格・在庫は、各社の日本の公式ストアで確認してください。
まだ確認できていないこと
- ゲームごとの実際のフレームレート(公式のベンチマーク表は、確認した範囲では見つかりませんでした)。
- 「1440p・100fps超」の条件(ゲーム名・画質設定。DLSSのフレーム生成を含む数字かどうか)。
- 最大1ペタフロップスが、どの構成の値か(Microsoft Store の注記は「一部の構成」とだけ書いています)。
- バッテリーの駆動時間(時間)。公式は「終日」と説明しています。Microsoft の脚注は、発売前の機器の社内テストによる説明で、使い方で大きく変わる、と書いています。
- NPUの性能。
- Prism の実際の速さと、動かないアプリの割合。
- 小型デスクトップの機種・価格・発売日。
- 日本での、Surface Laptop Ultra 以外の機種の価格・発売日。日本の発売日。
第三者の実測レビューは、この記事の対象外です(公式情報だけを整理しています)。確認できしだい、この記事を更新します。
出典
- NVIDIA ニュースルーム「NVIDIA RTX Spark PCs Available Today」(2026年10月16日)
- NVIDIA ニュースルーム「NVIDIA and Microsoft Reinvent Windows PCs for the Age of Personal AI」(2026年5月31日)
- NVIDIA 製品ページ「RTX Spark」
- NVIDIA GeForce ニュース「RTX Spark Launches With Hundreds Of Top Games On October 16th」(2026年10月13日)
- Microsoft Windows Experience Blog「Introducing a powerful new chapter for Windows PCs, accelerated by NVIDIA RTX Spark」(2026年5月31日)
- Microsoft Store 日本「Surface Laptop Ultra を購入」(2026年10月25日確認。日本の価格とAI性能の注記)
更新履歴
- 2026年6月18日 初版
- 2026年10月25日 公式情報をもとに、全面的に整理

